12~17歳の中等症~重症アトピー性皮膚炎患者に対する経口選択的JAK1阻害薬abrocitinibの有効性と安全性【JADE TEEN】

Efficacy and Safety of Abrocitinib in Combination With Topical Therapy in Adolescents With Moderate-to-Severe Atopic Dermatitis: The JADE TEEN Randomized Clinical Trial.
Eichenfield LF, et al. JAMA Dermatol. 2021; 157: 1165-1173.

目 的

12~17歳の中等症~重症アトピー性皮膚炎患者のおいて、経口選択的JAK1阻害薬abrocitinibと外用療法併用治療の有効性と安全性を検証する第III相試験

*abrocitinibは低分子JAK1阻害薬であり、アトピー性皮膚炎の成因に関与するインターロイキン(IL)-4、IL-13、および他のサイトカインのシグナルを抑制する。

【関連試験】
JADE MONO-1試験 JADE MONO-2試験 JADE TEEN試験 JADE COMPARE試験 JADE REGIMEN試験

対 象

対象者は、12~17歳、中等症~重症のアトピー性皮膚炎歴が1年以上でベースライン時にアトピー性皮膚炎患者387例。
スクリーニング前の6ヵ月間に外用治療を4週間以上行ったが治療抵抗性を示したか、疾患コントロールに全身治療が必要と判断された患者を採用した。また、JAK阻害薬により水痘帯状疱疹ウイルス感染のリスクが高まるため、同ウイルスへの免疫を有する患者に限定した。

方 法

●試験デザイン

国際(オーストラリア、中国、チェコ、ドイツ、ハンガリー、イタリア、日本、ラトビア、メキシコ、ポーランド、スペイン、台湾、英国、米国)、多施設共同、第III相、二重盲検、プラセボ対照、ランダム化比較試験

●方 法

対象者をabrocitinib 200mg群、abrocitinib 100mg群、あるいはプラセボ群のいずれかに1:1:1の割合で層別(中等症/重症)ランダム割付け、外用薬治療に加えて、12週間それぞれの試験薬を1日1回服用した。

●主要エンドポイント

(1)12週後のInvestigator’s Global Assessment(IGA)反応  
(IGAスコアで2段階以上の改善かつ「皮疹なし」あるいは「皮疹ほとんどなし」の判定)
(2)12週後のEczema Area and Severity Index(EASI)-75反応(EASIスコアにてベースラインから75%以上の改善)

結 果

2019年2月18日~2020年4月8日にスクリーニングが実施され、abrocitinib 100mg群に95例、abrocitinib 200mg群に94例、プラセボ群に96例がランダム割付された。うち、治療完遂したのは、それぞれ92例、91例、90例であった。
年齢中央値は15歳、白人が56.1%、アジア人が33.0%含まれていた。

●有効性

IGA反応率

12週後のIGA反応率は、abrocitinib 200mg群で46.2%(43例)、abrocitinib 100mg群で41.6%(37例)、プラセボ群で24.5%(23例)であった。

abrocitinib 200mg群とプラセボ群の群間差は20.6%(95%CI 7.3~33.9、P<0.05)、abrocitinib 100mg群とプラセボ群の群間差は16.7%(95%CI 3.5~29.9、P<0.05)であった。

・EASI-75反応率

12週後のEASI-75反応率は、abrocitinib 200mg群で72.0%(67例)、abrocitinib 100mg群で68.5%(61例)、プラセボ群で41.5%(39例)であった。

abrocitinib 200mg群とプラセボ群の群間差は29.4%(95%CI 16.3~42.5、P<0.05)、abrocitinib 100mg群とプラセボ群の群間差は26.5%(95%CI 13.1~39.8、P<0.05)であった。

●安全性

治療を有する有害事象の発生はabrocitinib 200mg群で62.8%(59例)、abrocitinib 100mg群で56.8%(54例)、プラセボ群で52.1%(50例)報告された。もっとも多く報告された治療を有する有害事象は、abrocitinib 200mg群で嘔気18.1%、abrocitinib 100mg群では上気道感染9.5%、プラセボ群では上気道10.4%であった。

重篤な有害事象はabrocitinib 200mg群で1例(不安感)、プラセボ群で2例(アレルギーによる血管浮腫、アトピー性皮膚炎の悪化)に報告された。

また、abrocitinib 100mg群の1例で帯状疱疹が報告された。

結 論

12~17歳の外用療法ではコントロールできない中等症~重症のアトピー性皮膚炎患者において、外用薬と併用してabrocitinib 100mgおよび200mgの経口投与を行うことで、有効性が認められ、忍容性にも優れていた。