Covid-19ワクチン(ChAdOx1 nCoV-19)に関する4つのランダム化比較試験の統合解析

Voysey M, et al. Single-dose administration and the influence of the timing of the booster dose on immunogenicity and efficacy of ChAdOx1 nCoV-19 (AZD1222) vaccine: a pooled analysis of four randomised trials.
Lancet. 2021 [Online ahead of print]

目 的

ChAdOx1 nCoV-19に関する4つのランダム化比較試験(COV001、COV002、COV003、COV005)のデータをもとに、事前に設定した統合解析を実施。
さらに探索的解析として、単回接種および投与間隔の違いによる有効性への影響について検討。

*ChAdOx1 nCoV-19は、チンパンジー由来アデノウイルスベクター型ワクチン(アストラゼネカ社)。

**本解析のデータ締日は2020年12月7日。
既報の中間解析のデータ締日は2020年11月4日で、解析対象者はCOV002およびCOV003の2試験より11,636例()。

対 象

有効性の解析対象者は、4試験の対象者から17,178例(英国8,948例、ブラジル6,753例)。

安全性データは、4試験のデータから100,958例・月(初回投与後)、49,958例・月(2回目投与後)を解析した。

方 法

●試験デザイン

・COV001: 英国、第I/II相、単盲検、ランダム化比較試験

・COV002: 英国、第II/III相、単盲検、ランダム化比較試験

・COV003: ブラジル、第III相、単盲検、ランダム化比較試験

・COV005: 南アフリカ、第I/II相、二重盲検、ランダム化比較試験

●方 法

対象者をChAdOx1 nCoV-19ワクチン群あるいは対照群(髄膜炎菌結合型ワクチンまたは生理食塩水)にランダム割付けし、各試験薬を2回投与した。
ChAdOx1 nCoV-19ワクチンは標準用量を2回投与としたが、COV002の一部に対しては、初回は半量、2回目は標準用量が投与された。

●エンドポイント
主要エンドポイントは、2回目のワクチン投与後14日以上経過後のウイルス検査陽性かつ症候性のCOVID-19

結 果

2020年4月23日~12月6日に24,442例が参加した。うち、主要有効性解析の対象者は17,178例。

●有効性
・主要エンドポイント(全体)
症候性COVID-19の発生率は、ChAdOx1 nCoV-19群で1.0%(84/8,597例)、対照群で2.9%(248/8,581例)となり、ワクチンの有効率は66.7%(95%CI 57.4~74.0)であった。

●安全性

重篤な有害事象の発現率は、ChAdOx1 nCoV-19群で0.9%(108/12,282例)、対照群で1.1%(127/11,962例)であった。もっとも多くみられた重篤な有害事象は「感染症および寄生虫症」で、ChAdOx1 nCoV-19群で0.2%、対照群で0.3%に発現した。
試験薬に関連のない死亡は7件(ChAdOx1 nCoV-19群2例、対照群5例)、うち対照群の1例はCovid-19関連の死亡であった。

●探索的解析

・2回目接種(ブースター投与)のタイミング

初回投与とブースター投与の間隔が2ヵ月以上空くと、症候性COVID-19(2回目のワクチン投与後14日以上経過後の発病)に対するワクチン有効率が高くなり、以降、投与間隔が長くなるほど有効率は上昇した。

・単回接種の有効性

試験参加者のうち、単回接種となった集団でサブグループ解析を行った結果、ワクチン接種後22~90日目のワクチン有効率は、76.0%(95%CI 59.3~85.9)となり、3ヵ月間の間にワクチンの有効性の減弱は認められなかった。

結 論

Covid-19に対するChAdOx1 nCoV-19の有効性は、中間解析の結果()と一致していた。
現在のようにワクチンの供給が不足している状態では、より多くの人々に早期にワクチンを行き渡らせるために、1回目と2回目の投与間隔を3ヵ月とすることで、それよりも短い投与間隔のプログラムよりもメリットが得られる可能性がある。